世界的に#MeTooが盛り上がって、ある意味定着しましたね。これってなんでなんだろう?
セクハラ笑、みたいな感じがややあった
2002年の女優がたくさん出たドキュメンタリーの「デブラ・ウィンガーを探して」では、結構気持ち悪いセクハラの証言みたいなのもあったけど、あまり問題にならず、全体的に
👨女子がなんか愚痴ってる感じの内容だね
と言われがちだった気がする。
でも今だったらそこそこ物議をかもしそうだ。
そもそも#MeToo運動はどう盛り上がったか
#MeToo運動の主な出来事を時系列で振り返ると:
1. 2017年10月: ニューヨーク・タイムズ紙がハーヴェイ・ワインスタインの性的暴力事件をスクープし、#MeToo運動が急速に広がる。
2. 2017年11月: スウェーデンで#MeToo運動が高まり、ノーベル文学賞選考委員会メンバーの夫による性的暴行疑惑が明るみに出る。
3. 2018年1月: 中国で#MeToo運動が大学をはじめ、NGO、宗教、メディア、経済・政治などの領域に拡大。
4. 2018年: スウェーデンでノーベル文学賞の発表が中止される。
5. 2020年7月: 日本で伊藤詩織さんの民事訴訟で賠償命令が確定。
みたいな感じでじわじわ世界に広がっていった感じかと思う。
もともとアメリカの活動家タラナ・バークさんが、2006年に「Me Too」という団体を設立し、性暴力被害者、特に若い黒人女性を支援する活動を行っていた中でハーヴェイ・ワインスタインのスクープがあり、それを受けてアメリカの歌手・女優のアリッサ・ミラノがツイッターで
「セクハラや暴力を受けた場合は、このツイートへの返信として「私も(Me Too)」と書いてください」
とツイートし、急速に広がったらしい。
↓こちらが、アリッサさん
仮説
そもそも、なぜ#MeTooが機能したか考えると3つ仮説がある。
1SNSが強くなった ※民間から煽りやすくなった
ここ30年間の世界におけるSNSの普及率は以下のようになっており、今後も力を持っていくと考えられる。
1995年: この時点ではSNSは存在せず、普及率は0%。
2010年代初頭: スマートフォンの普及とともにSNSの利用が急速に拡大し始める。
2020年: 世界のSNSユーザー数は39億6,000万人で、世界人口に対する普及率は約51%。
2022年: 世界のソーシャルメディア利用者数は45億9,000万人に達する。
2024年: 具体的な数字は提供されていないが、増加傾向が続いていると推測される。
2028年(予測): 世界のソーシャルメディア利用者数は60億3,000万人に達すると予測されている。 ※参照:総務省|令和5年版 情報通信白書|SNS
MeToo運動自体がSNSが発端になっており、普通の一個人が意見や経験を共有できるようになったというのはもちろん大きい要因だろう。
2人類が倫理的になった
多くの国で倫理的規範の整備が進められ、SNSで倫理的問題に対する反応がよりわかりやすく起こるようになった、という意味では、「倫理的」であることが、推奨されている状況にはなったと思う。一方で、SNS上の意見がインプレッションに左右される、しばし経済効果をもたらすことから、現状の「倫理的」である状況(「倫理的」に見える状況)が完璧なわけではないことも留意しておく必要はある。
3女性の権力者が増えた
定量的な数字は見つけられなかったが、2000年代以降女性の政治参画は進んでいるようで、日本でも1986年以降、女性候補者・当選者の割合が上昇傾向にあり、2017年の総選挙では、女性候補者の割合が過去最高の17.8%、女性当選者の割合は10.1%となったとのこと。
政治参画や富裕層の比率がそっくり発言力に反映される訳ではないかもしれないが、こちらも大きな要因となっているだろう。
ちゃんと考えないと、と思った
総合的に考えて、セクハラや性暴力がなくなるのはもちろんすごくいいことだと思う。
こういう感じでどんどん世界が良くなっていけばいいなと思う。
ただもともと人によっては加害サイドだったり、「そんなん大したことないじゃん」の風潮にのったりしていたわけで、それだってずっと何かに流されていたわけだから、その事実はちゃんと受け止めて、人類それぞれが自戒して、自分自身が物事をちゃんと能動的に考えているか、今一度考えるタイミングなんじゃないかと思う。
そうしないと別の問題や不条理が際限なく生まれちゃう気がする。
INFORMATION
人や世論に流されず合理的に考える方法
1. 情報の出所を確認する
- 世論や人の意見を鵜呑みにせず、まずその情報がどこから来たのかを調べる。
- 一次資料(公式発表、データ、論文)や信頼性の高いメディアを優先。
- 例: SNSの噂なら発信者の背景や根拠をチェック。
2. 感情と事実を分ける
- 自分の感情(怒り、恐れ、喜び)が判断を歪めないよう意識する。
- 事実(客観的データや証拠)と意見(主観的解釈)を切り離して考える。
- 方法: 「これは事実か感情か?」と自問し、メモに分けて整理。
3. 論理的思考を鍛える
- 因果関係を明確にする(Aが起きたからBになったのか、他の要因は?)。
- 仮説を立てて検証する(もしXが正しければYが起こるはず、と予測)。
- ツール: ロジックツリーや5W1H(誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)を使う。
4. 多角的な視点を持つ
- 一つの意見に固執せず、反対意見や異なる立場を意図的に検討する。
- 例: 賛成側と反対側の主張をリスト化し、それぞれの根拠を評価。
- 質問: 「これを別の角度から見るとどうなるか?」と考える。
5. バイアスを自覚する
- 認知バイアス(確証バイアス、集団思考など)が判断に影響することを認識。
- 確証バイアス対策: 自分の信じたい結論を裏付ける情報ばかり集めない。
- 方法: 「自分が間違っている可能性」を常に頭に置く。
6. 時間を確保して冷静に考える
- 世論の勢いや急な感情に流されないよう、即決を避けて考える時間を取る。
- 例: 大きな決断なら1日置いて再考、感情が高ぶる話題なら一旦離れる。
- ルール: 「24時間ルール」を設けて冷静さを取り戻す。
7. データと数字を活用する
- 主観的な意見より客観的な数字や統計を基に判断。
- 例: 「みんなが良いと言う」より「実際の成功率は60%」を重視。
- 注意: データの収集方法やサンプルサイズも確認し、偏りを防ぐ。
8. 自分の価値観を明確にする
- 他人の意見に流されないよう、自分の優先事項や目標を事前に整理。
- 方法: 「何が自分にとって重要か」を紙に書き出し、判断基準にする。
- 例: 「短期的な人気より長期的な成果を優先」と決める。
9. 議論や質問で深掘りする
- 周囲の意見に疑問を持ち、「なぜそう思うのか」「根拠は何か」を尋ねる。
- 自分にも問いかける(「この結論に至った理由は何か?」)。
- メリット: 表面的な同意を超えて本質的な理解が進む。
10. 孤独な時間を意識的に作る
- 集団の空気やプレッシャーから離れ、一人で考える時間を確保。
- 例: 散歩中や静かな場所で情報を整理し、自分の結論を導く。
- 理由: 他人の影響を受けにくい環境で思考がクリアになる。