時代の流れが速さが、音楽にも現れているか検証してみた。
過去の曲はゆっくり?
カーペンターズの曲を聴いていて、
☺️すごいいい曲だけどすごくゆっくりだな
と感じた。
思えばビートルズにしてもカーペンターズにしてもサイモン&ガーファンクルにしてもそんなに速くない。
ビートルズの速めソング『Help!』でも現在の速めソングと比べるとゆっくりめに感じる。
本記事では流行りの音楽の速い感じと遅い感じの傾向を年代とエリアで探ってみたいと思う。
(BPM及びヒットチャートはGrokにて抽出したもの。精度の担保がない為、ざっくり分析としている)
BPMと音楽心理学的傾向について
BPMとは「Beats Per Minute」の略で1分間の拍数を表す。BPMが多い曲は速いテンポで、少ない曲は遅いテンポとなる。音楽心理学的な傾向としては、それぞれ以下が挙げられる。
BPMが多い(速いテンポの)曲の心情変化
➊高揚感やエネルギーの増加:速いテンポの音楽(例:BPM 120~180)は、心拍数や呼吸を増加させ、興奮やエネルギーを感じさせることが多い。特にダンスミュージック(EDM、BPM 130~150)やロック(BPM 120~140)は、活動的でポジティブな気分を引き起こす傾向があり。
➋集中力の向上:速いテンポの音楽は、運動や作業のパフォーマンスを向上させることがある。例えば、ランニング中にBPM 160~170の曲を聴くと、リズムに合わせてペースを維持しやすくなり、モチベーションが上がるとされている。
➌ストレスや不安の増加(場合による):速すぎるテンポ(例:BPM 180以上、特にメタルや高速パンク)は、一部の人には攻撃的または不安を引き起こす可能性がある。
BPMが少ない(遅いテンポの)曲の心情変化
➊リラックス効果:遅いテンポの音楽(例:BPM 60~90)は、心拍数や呼吸を低下させ、リラックスや落ち着きをもたらすことが多い。クラシックのバラード(BPM 60~80)やジャズ(BPM 60~100)は、ストレス軽減や瞑想に適しているとされている。
➋感情的な深みや悲しみ:遅いテンポの音楽は、感情的な深みや内省を引き起こすことがある。特にBPM 60以下の曲は、悲しみや郷愁を感じさせる場合がある。
➌睡眠や集中の補助:BPM 60~80の音楽は、睡眠導入や深い集中状態(例:勉強や読書)に役立つとされている。これは心拍数や脳波(アルファ波やシータ波)に近いテンポがリラクゼーションを促進するためである。
つまり、
すごいざっくり言うとBPMが多いとアッパー系、少ないとダウナー系ということ。これは
👨言わなくても分かっているよ!
という感じかもしれないけど、前提条件として整理してみた。
1970年~2024年の全米と日本のヒットタイトルのBPMデータ
流行り曲のBPMに関して、イメージとしては全米の方が多い(つまりアッパー)、近年の方が多い(つまりアッパー)なイメージがあるけど、実際どうなのだろう。
1970年~2024年の全米と日本のヒットチャートNo.1タイトルのBPMデータのグラフはこんな感じ。
このデータから、実際は、
➊日本の方がよりアッパー
BPMに関し全期間、直近5年いずれの平均をとっても日本のBPMの方が多い傾向にあった。
➋アッパー時々ダウナー
日本に関しては元が高く一時的に沈んでいる。全米もゆるやかに上がったり踊り場にさしかかったりしている。
↓わかりやすく年代で平均BPMをまとめたグラフ
と言うことがわかる。
所感
まず日本の音楽って結構アッパーなんだなという点に驚いた。
例えば遡って1970年の全米ヒットタイトルは、サイモン&ガーファンクルの『Bridge Over Troubled Water』(BPM84)、
対して日本は皆川おさむの『黒ネコのタンゴ』(BPM132)。結構速め。
勝手なイメージだけど日本では、
👩音楽聞いてしゃきっとしよ
👨ゆっくり音楽聴くの難儀やわ
みたいな人が多くてこうなったのかもしれない。
↓ちなみに昨年の日本のベストヒットはこちらの速めソング。
そして、「綺麗にBPMが多くなっている=世の中がアッパーになっている」というのは事象としてなかった。予測としては、アイフォンの普及率と連動していたりしないかなとも思ったけど、そんな単純なものではなさそう。
INFORMATION
BPMの調べ方
BPM及びヒットチャートはGrokにて抽出。エクセルでグラフ化、年度ごとに比較。
※Grokの使い方:Xのアプリまたはウェブ版で、左側のメニューを開き、「Grok」という項目があるのでクリック。するとチャット画面が表示され、質問を入力できる。