chappy vibes

世界を目指す日々と方法 🏴‍☠️

【重度の自己嫌悪対策】1000冊本を読む

先日書いた通り、重苦しい自己嫌悪に苦しんだので本、マンガ、CD、映像作品1000本を読んだり観たりしました。

【No.1発表】マンガを1000冊読む - chappy vibes

今回は読んだ本について書きます。

1番効果あり

本を読んだのは自己嫌悪脱出に一番効果があり、50冊くらい読んだところで、頭がクリアになる感覚があった。

当時の自分はすっかり内閉していたけど、本に書かれている言葉は、心にちゃんと入ってくる感じがあった。

おそらく最初の方に読んだ本に名作が多かったからうまくいったんだと思う。心に入ってくるからこそ、それらしいことを書いていたり嘘っぽかったり気持ち悪いと嫌悪感を感じやすかった。(その傾向は今も変わらないけど)。

心の穴事件

ちょうど100冊くらい読んだ頃知り合いに

👨先輩とLINEしてほしい

とお願いされたことがあった。聞くとその先輩はとび職の社長で、恋人がおらず、仕事が忙しく本心を話せる友達もいないらしかった。

😢恋人もできず、自分の心を見せられる友達もいなくて…いつのまにか心に穴があいた

というメッセージを受け取り、

🙃恋人や友達がいればいいってわけじゃないと思うけど大変ですね

みたいに返した。後からちょっと冷たいかなと思い、追加で

🙂心に穴があいたなら、本を100冊くらい読むといいかもです。ビレバンの選書がいい感じのお店とかもしよかったら教えます

と送った。

そこで返事はかえって来なくなり、変な商材を勧めた人みたいな後味の悪さを味わったけど、本当に本を読むのはよいのにな、と思う。

世界を知ってる人

1000冊読んで、すごいなーと思った作家はいっぱいいる。特に村上春樹とマイクル・クライトンの世界を知ってる感じがすごかった。

村上春樹について

村上春樹はベストセラー作家なので、甘ったるい感じや伏線がよくわからない感じがありそうという勝手なマイナスイメージから入ったけど、実際に読んでみると、村上春樹の存在で世界に対する向き合い方が大きく変わるくらいのインパクトがあった。

何がすごいって、村上春樹は世界の成り立ちをよく知っていて、すごくわかりやすく伝えてくれる。

例えば「国境の南、太陽の西」で、主人公がこんなことを言う。

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

「でもね、有紀子、これだけははっきり言える。絶対損をしない株なんてどこの世界にもないもんだよ。もし絶対に損をしない株があるとしたら、それは不正な株取引の株だ。」

「君は半月で投資した金が確実に二倍に増えるとこともなげにいう。八百万が千六百万になるという。でもそういう感覚には何か間違ったところがあると僕は思う。そして僕も知らずのうちに、その間違いの中に少しずつ吞み込まれていっている。たぶん僕自身もその間違いに加担しているんだろう。僕は最近、少しづつ自分が空っぽになっていくような気がするんだ」

これは権力者である父親の勧めで言われるままに多額の株式投資をした妻の有紀子に対して言う言葉だ。

「ノルウェイの森」では、大学解体を訴えて学生運動を主導していた人たちが、ストが解体されると真っ先に授業に出始めたことに対しこう書いている。

ノルウェイの森 (講談社文庫)

彼らは出席不足で単位を落とすのが怖いのだ。そんな連中が大学解体を叫んでいたのかと思うとおかしくて仕方なかった。そんな下劣な連中が風向きひとつで大声を出したり小さくなったりするのだ。

おいキズキ、ここはひどい世界だよ、と僕は思った。こういう奴らがきちんと大学の単位をとって社会に出て、せっせと下劣な社会を作るんだ。

「ダンス・ダンス・ダンス」では、俳優の五反田君が提案したプロットで評価をされたCMに関してこう言う。

「でもCMが成功したら手柄は全部そのディレクターどものものになった。何かの賞をとったっていうことだよ。別にそんなことどうでもいいさ。僕はただの役者だ。誰がどう評価されようと僕には関係ない。でもね、僕はあいつらがごく当然みたいなでかい面してのさばってるのが気にくわない。賭けてもいいけど、あいつらは今ではあのCMのアイデアは最初から最後まで全部自分で思いついたことだと信じこんでいるよ。そういうやつらなんだ。想像力のないやつらに限って自己合理化が素早いんだ。」

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫 む 6-26)

全部すごいわかるし、ちゃんとわかる前から実際こういうことってあるんだろうな、と思った。

この事象をちゃんと言語化するのがすごい。被害者面しないで、ちゃんと戦ってる感じの立ち位置もすごく好きだ。

マイクル・クライトン

マイクル・クライトンは「ジュラシック・パーク」の作者でドラマの「ER」の脚本もしている。ハーバード大学で医学を学んでいるので、SFも非常によく作り込まれている。

個人的にマイクル・クライトンの「トラヴェルズ」という自伝的な本がとても好きで、こんなすごい人が正直に悩んだり物事に対峙しているのに感銘を受けた。ここまで自己認知して正直な本を、世界レベルに地位を確立した人が書けるのが天才的。

できたら電子書籍化してほしい...。

トラヴェルズ 下: 旅、心の軌跡 (ハヤカワ文庫 NV ク 10-20)

INFORMATION

本を1000冊読む方法

図書館や友人から借りたり、本屋で購入する。読んだ本はノートやスプレッドシートにメモする。