『卒業』のミセス・ロビンソンて、魅力的な感じがするけど、全体的に何がしたかったのかよくわからなかった。わりと単純な登場人物が多い中、いろいろかきまわしていった印象が強い。
『卒業』あらすじ
大学を優秀な成績で卒業したベンジャミンは将来に不安を抱える中、父親の共同経営者の妻ロビンソン夫人に誘惑され不倫関係となる。
虚無感に苛まれながら日々を過ごすが、やがてロビンソン夫人の娘エレーンに惹かれ、彼女に猛アプローチする。
母親の妨害や誤解で一度は関係が断たれるが、ベンジャミンは諦めずエレーンの結婚式場に駆け込み、二人は教会から逃げ出す。未来への不安を抱えつつバスで走り去り物語は終わる。

ミセス・ロビンソン情報
ミセス・ロビンソンについて情報をまとめてみた。
・大学時代に美術を専攻していた
・エレーンを妊娠したことで学業を途中で断念した(このことからミセス・ロビンソンは40代半ばくらい?)
・美術への興味は現在ほとんど失われている
・裕福な家庭に暮らす主婦
・外見は洗練されていて、お酒を手にしていることが多い
・髪型や服装は1960年代風で派手さと色気がある
・物語では自宅のバーで過ごすシーンが印象的
・娘の人生に強く干渉する傾向がある
こう考えると、芸術的な素養があって、おしゃれでお酒と快楽に溺れてる、魅力的だけどそこそこ困った人であろうことがわかる。
何がしたかったのか
ミセス・ロビンソンは、
❶夫の共同経営者の息子のベンジャミンを誘惑して、肉体関係になる
❷娘とベンジャミンが恋仲になったらキレる
❸駆け落ちしたら悪態をつく(「私の人生を壊したのよ!」 "You've ruined my life!")
ということを映画においてやっていて、俯瞰してみるといよいよ意味不明だ。
ベンジャミンにそこまで興味を持ってないことからミセス・ロビンソンに恋心はないと思われるので、言い方は難しいけどただの火遊びだったんだと思う。わざわざこじれると面倒くさい近めの知り合いの中から火遊び相手を選んだのは、
👩まぁ大丈夫かな!
と舐めてたんだと思う。最後の悪態は、
👩大丈夫じゃなかった!くそぅ
という感じなのかな。
もう少し深掘りすると、ベンジャミンとの火遊びは生活に害を及ぼさない、気を紛らわすものだったのかと思う。ミセス・ロビンソンはベンジャミンに救済を求めてなくて、深い諦念がありつつも、最低ラインとしての日常は担保したがってた印象。
そのゾーン
深く考えたくない、あきらめてる、でも心を慰めたい(暇じゃないけど暇つぶし)
なんとなくそのゾーンにミセス・ロビンソンはいた気がする。
自分もよくそのゾーンにいる。
なので、ミセス・ロビンソンがやったのは、浅瀬での火遊びなのかなと思う。だから、ちぐはぐで責任感がない。破壊力があるわりに本人の中の温度感が低い。
まとめ
ミセス・ロビンソンの独特な境地において、行動の合理性は不完全なものと言えるかもしれない。周りがすごく振り回されるから、なんかどうしようもないなぁと思う。
INFORMATION
『卒業』を観る方法
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