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【ボロクソ王子】シェイクスピア「ハムレット」を読む

「ハムレット」ってすごく好きな人多いですよね。主人公・ハムレット自体もわりと褒められてるけど、なかなか独特な人だなぁと思う。

ハムレット(新潮文庫)

あらすじ

デンマークの王子ハムレットは、王様(お父さん)が急に死んで、叔父さんがお母さんと結婚して王様になったことにショックを受ける。
ある夜、お父さんの幽霊が出てきて

😡叔父さんが俺を毒で殺した!復讐してくれ!

と言う。
ハムレットは深く悩みつつ、狂ったふりをして真相を確かめようとするけど、最後は剣と毒のドタバタでハムレットもおじさんもお母さんもほぼ全員死んでしまう。

↓漫画にしてみたよ

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ハムレットとお母さん

なんかいろいろもりだくさんな話だけど、何よりハムレットの母親に対する態度がひどい。

ハムレット的に

・父親の死から2ヶ月(劇中では「1ヶ月」とも言ってる)で再婚
・再婚相手が兄殺し+王位を奪った疑惑
・母親が全然悲しんでる様子がない

という部分で、母親に思うところがあるのはわかる。でもだからってよくこんなこと言うなぁと思う。やばいのが以下のシーン。

※Act 3, Scene 4 主に158行目~210行目あたり

ハムレット
いいや、でも生きるんだろ?
油ぎった汗まみれのベッドの中で、
腐敗に煮えくりかえりながら、
下品な豚小屋の上で甘ったるく愛し合ってさ——!

王妃(お母さん)
もうやめて! これ以上言わないで!
その言葉、耳に短剣みたいに突き刺さるわ!
もういい、ハムレット!

ハムレット
殺人犯と、極悪人とさ。
お前の前の夫(父上)の百分の一にも満たない下賤な奴隷、
王の中の道化、王位泥棒、
棚から王冠をくすねてポケットに突っ込んだ掏摸野郎だ!

王妃(お母さん)
もうやめて……!

ハムレット
ボロ布をつぎはぎしただけの「王様」だ——

(ここで幽霊登場)※幽霊はお父さん

(幽霊が去った後、再び母親に畳みかける)

ハムレット
お前はこれを愛と呼ぶつもりか?
お前の年齢じゃ、もう血の盛りなんて落ち着いてるはずだ。
理性がちゃんと支配してるはずだ。
それなのに、どうしてこんな判断をするんだ?
こっち(父上)からあっち(クローディアス)に飛び移るなんて?

感官が全部死んでるならまだしも、
少しでも残ってれば、こんな違いは絶対にわかるはずだ。
お前にだって分別はあっただろうに!
恥を知れ! どこに赤面があるんだ!?

熟女の骨の中でも地獄が暴れられるなら、
もう若者には「美徳なんて蝋みたいに自分の炎で溶けちまえ」と宣言してやれよ。
衝動的な情欲が突撃してくるんなら恥じる必要なんてない、 だって霜だって同じくらい激しく燃えて、 理性はもう娼婦の用心棒に成り下がってるんだから!

王妃(お母さん)
ああ、ハムレット、もうやめて……
お前がそんなこと言うと、私は自分が生きてるのが恥ずかしくなるわ……

 

😳いや、よくこんなこと言うな!

とびっくりする。ハムレットがアラサーくらい(諸説あり)だからお母さんは50-60歳くらいだと思うけど、

お前がそんなこと言うと、私は自分が生きてるのが恥ずかしくなるわ……

と最後にお母さんが言うのもわかる。

糾弾するにしてもこんなにボロクソ(セクハラまじりに)言わなくていいはずだから、ある意味自傷行為なのかなと思う。実際お母さんが毒を飲んで死んだ時すごくショックを受けてるし、好きではある感じだし。

多角的な死

シェイクスピアの話らしく、主要人物が短期間でほぼ死ぬんだけど、それらにはハムレット自体の多角的な死を感じる。

イメージとしては、

お母さん 自分の打算的な部分の死
彼女 自分のきれいめなところの死
叔父さん 仮想敵の死
お父さん 実はお母さんの夫だからむかついてる?複雑な死

みたいな感じで無自覚のうちに精神的に内部が侵食されている感じがある。ハムレットが侵食されつつ、その様子をリアルに報告するから、唯一無二の名作ポジションなんだろうなと思う。

INFORMATION

『ハムレット』を読む方法

アマゾンなどのネット書店、書店、電子書店で購入、図書館で借りる