
ガリバー旅行記を読んだ。冒険譚のはずなのに、思ったより暗い。終盤、人間を嫌いになったガリバーが、馬にだけ心を開く展開になる。馬ってそんな立ち位置だったっけ、と引っかかった。
暗い旅の話
ガリバー旅行記は、船医レミュエル・ガリバーが奇妙な国を渡り歩く風刺小説。最初は小人や巨人が出てきて童話っぽさもあるけど、旅を重ねるごとに人間を見る目がどんどん冷えこんでいく。
小人の国では政治に利用され、簡単に切り捨てられる。巨人の国では見世物になり、人間の身体や欲の気持ち悪さを拡大して見せられる。空飛ぶ島や不死者の国では、知性そのものが空回りしているように映る。
馬の国で価値観が反転する
最後にたどり着くのが、理性ある馬フイヌムの国。感情に振り回されず、嘘を知らない社会の一方で、人間型のヤフーは野蛮で汚らしい存在として扱われる。ガリバーはこの社会に深く傾倒し、人間側に戻れなくなる。
ヤフーという名前に引っかかる
人間が下等動物として飼われ、その名前がヤフーなのに驚いた。あのネットサービスと同じ名前なのは偶然なのかなと思い調べてみた。
名前が示しているもの
実際、Yahoo!の名前はこの小説が由来らしい。自虐や皮肉として付けられたと言われているけど、冗談として受け取るには少し重たい感じが残る。
馬は誰で、ヤフーは誰か
もしヤフー(人間)が煽られやすく衝動的な存在だとしたら、それを理性的に管理する馬は誰なのか。多くの権力者は自分を馬側だと思っていそうだし、その中で他人をヤフー扱いしている人もいる気がする。
馬は馬で
ガリバーの厭世観は、ガリバー本人や作者をすり減らすほど強い。一方で、理性的すぎる馬の社会も、下等動物を生み出す点で歪んでいる。その歪さごと、この物語は今の社会にも当てはまりそうな気がする。
INFORMATION
『ガリバー旅行記』を読む方法
アマゾンなどのネット書店、書店、電子書店で購入、図書館で借りる

