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BTSオワコンらしいじゃん! |
と知人に言われたので、実際どうなのか調査してみた。あと新アルバムの感想も書いてみる。
オワコン説?
まずオワコン説の内訳を確認してみた。
ニュースメディアの結果は以下。
❶復活ライブのお客さんが予想より全然来ない
《BTS復活ライブ》最大26万人予想が2割の動員、復帰を支えるARMYの「熱意と誠実さ」(週刊女性PRIME) - Yahoo!ニュース
「当初、警察は最大26万人が集まる可能性があると試算していたようですが、実際のところは警備要員も含めて4万6000〜4万8000人で、予想の2割に満たなかったといいます。2022年に梨泰院(イテウォン)で159人が死亡した雑踏事故の教訓を踏まえた安全対策が、来場の抑制につながったとの見方もあるようです」(スポーツ紙記者、以下同)
❷株が急落
韓流HYBE株が急落…BTS公演の集客減が影響か、エンタメ株が一斉安(KOREA WAVE) - Yahoo!ニュース
3月23日午後2時50分時点で、HYBE株は前日比15.84%安の28万9500ウォンを記録した。これを受け、JYPエンターテインメントは7.10%安、SMエンターテインメントは9.16%安、YGエンターテインメントも10.54%安と、主要エンタ株が軒並み下落した。 急落の背景には、3月21日にソウル・光化門で開かれたBTSのカムバック公演の集客が当初の予想を下回ったことがあるとみられている。米ブルームバーグ通信によると、当初は約26万人の来場が見込まれていたが、実際には約10万人にとどまった。
SNSの声としては、「韓国っぽさがなくなって残念」「たくさん悪いところが浮かぶ。もう昔のBTSじゃない」「ポップな感じがなくなった」といった投稿が目立った。
実際の結果(数字)
しかし実際のところどうだったのか?初速を確認してみる。
➊復帰ライブ視聴者数は1840万人に達した
BTSとWBCで視聴者拡大-Netflix、アジアのライブイベント配信を加速(TBS CROSS DIG with Bloomberg) - Yahoo!ニュース
Netflixによると、同社が3月に日本で独占配信した今年のWBCの視聴者数は、2週間の大会期間中に過去最高の3140万人に達した。ソウル中心部の光化門広場で21日に開催されたBTSの無料公演「BTS The Comeback Live | Arirang」は、全世界で1840万人の視聴者を集め、24カ国で1位を記録するなど、先週最も視聴された番組となった。
比較表を作るとこんな感じで、WBCでの視聴者数3140万人が過去最高とのことだが、集計期間を極力そろえるとほぼ同数になる。ただし視聴範囲が日本だけと全世界の差があるので単純比較はできない。

通常時のNetflixの視聴率と比べてみると高視聴コンテンツの18倍近くなっているので相対的に視聴率が高いことはわかる。
(ただしNetflixには映画やドラマ、ライブ、スポーツなど多様なコンテンツがある為、リアルタイム配信の音楽ライブとの単純比較はやはり難しい)

視聴者数ソース:
Netflix、有料会員数が3億2,500万人突破 2025年第4四半期決算 | Musicman
➋アルバム・ストリーミング初速好調
・アルバム販売:初日約398万枚(世界通算)
BTS、新譜「ARIRANG」が発売3日で400万枚突破!歴代最多記録を更新 | K-POP | K-HALLYUNEWS
・デジタル・ストリーミング:Spotifyグローバル1位~14位独占、初日最多ストリーミングという形で、BTSの歴代最高かつ世界レベルで異例のスピードとなった。
BTS、The 5th Album 'ARIRANG'が Spotifyグローバルチャート1位〜14位を独占! | USENの音楽情報サイト「encore(アンコール)」
アルバム・ストリーミングの初速としては文句なしとなっている。ただ今回はニュース性もあったので、単純な成功の証として飛びつくことはできない。
➌株価下落
前述したように、BTSのアルバム『ARIRANG』リリース直後にHYBE株が15%ほど急落した。主な理由としては、以下が挙げられている。
-材料出尽くし感
BTSの完全体復活、アルバム発売、ソウル光化門広場でのカムバック公演など、大きなニュースが短期間に集中。投資家の期待材料が一度に消化され、「これ以上の上昇材料が当面ない」と判断した投資家の利益確定売りが増えた。
-公演観客数が予想を下回った
光化門広場のカムバック公演は当初26万人規模が予想されていたが、実際の観客数は
・HYBE推計:約10.4万人
・ソウル市推計:約5万人
と大きく下回った。期待された盛り上がりとの差が市場の失望につながったとみられる。
-株価の事前上昇による反動
イベント前のHYBE株は「BTS完全体復活」への期待で上昇していた。イベント終了後は「短期的な材料が出尽くした」と判断され、調整売りが出やすい状況だった。
-外部要因
中東情勢などの地政学リスクが市場全体のセンチメントを弱めたことも、下落を後押しした可能性が指摘されている。
なおK-POP企業では、アルバムの大ヒットやツアー発表などの好ニュースの直後に株価が一時調整する例は珍しくないらしい。例えばHYBE傘下グループのヒットアルバム後にも、短期間の株価調整が見られることがある。これは人気の低下ではなく、期待が事前に株価へ織り込まれていた反動という構造が大きい。
➍評価
実際の曲の評価は、以下のとおり。
Rolling Stone UK:5/5 点
View of the Art:5/5 点
Rolling Stone(米):4.5/5 点
AllMusic:4.5/5 点
Consequence:83/100 点
NME:4/5 点
Clash:4/5 点
The Guardian:4/5 点
The Telegraph:4/5 点
Associated Press:4/5 点
低めのスコアは、
Pitchfork:5.3/10 点と、他と比べてかなり厳しめの評価。アルバム全体を「量産的」と評し、コンセプトと中身のギャップを問題視していると伝えられている。
ざっくりした傾向としては、5点満点系では 4〜5 点が中心で、メインストリームの音楽メディアからは高評価寄り。
なお一般ユーザーの定量評価に関しては現在まとめられてないが、肌感的には高評価寄りなものの低評価も一定割合存在している印象。
結論:オワコンか?
結論としては、「オワコン」ではない。「規模が巨大すぎて期待値がバグっている(よくわからなくなっている)状態」ではある。
もし「オワコン」という言葉が「人気がなくなること」を指すなら、アルバム売上や視聴者数の数字、アルバム評価がそれを明確に否定している。ただし、以下の構造的な変化が「オワコン感」として誤認されている可能性がある。
「期待値」とのギャップ
26万人動員という過剰な予測(警察やメディアの試算)が独り歩きしたため、10万人集めても「失敗」に見えてしまうという逆転現象が起きている。
投資家の「材料出尽くし」売り
株価下落は人気低下ではなく、復帰という最大のイベントが終わったことによる利確(利益確定)が主因。エンタメ業界ではよくある構造。
スタイルの変遷
「昔の方が良かった」という声は、グループがグローバルに展開し、音楽性を進化させる過程で必ず発生する「古参ファンの通過儀礼」のようなものと言える。
総評としては、実数値(売上・再生数)を見る限り、依然として世界のトップアーティストであることは間違いない。
新しいアルバムどうなの
個人的に、冒頭の知人の言葉
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BTSオワコンらしいじゃん! |
の時点では新曲を聴きNetflixでライブを観つつ、世の中の声や初速をそんなに知らない段階だったけど、
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あぁ、オワコンなのかなぁ |
と思いつつも
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まぁそれはそれでいいよ。自分は好きだからね |
と答えた。それに対して知人は、
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まぁ、いいんじゃん。好きな人が好きでいる感じになってくんじゃん |
と言っていた。
結果的に全然オワコンではなかったけど、「特に流れに乗ってない(言わされてもない)自分がBTSの曲をいいなって思ってる事実」はあるので、肌感的にもまだまだ大丈夫な気がする。
BTSは、ボーイズグループの新境地に行くのか?
一方で、メンバーの平均年齢が30代になったBTSがいつまでグループとして活動するのか? というのはリアルな命題としてある。
参考までに過去50年以内の有名なボーイズ・グループの例を調べてみると2つのタイプに分けられた。
まず1つ目のグループは、瞬発タイプ。 欧米のNew Kids on the Block、NSYNC、One Directionが代表的な例。
この伝統的な欧米「瞬発」モデルでは、グループのピークは20代前半に極端に集中し、活動期間も10年未満と短命に終わる傾向がある。
欧米ではグループを「スターになるための通過点」と捉える傾向が強く、実力をつけたメンバーが20代半ばでソロに転向し、自分の音楽性を追求するケースが多い。ジャスティン・ティンバーレイクやハリー・スタイルズのような成功例が、早期のソロ転向を加速させている印象。
→活動期間と自国のチャート1位を獲得した年

2つ目は、生涯アイドル型。日本の嵐やSMAPなどが代表例。ここで必要なのは、「瞬発力」ではなく「伴走力」となる。ファンと共に成長し、ライフステージを超えて支持され続けるモデルだ。日本や韓国においては、バラエティ、俳優、MCなど「タレント」として多角的に露出を増やす機会に恵まれていることも、人気が持続する要因となっている。
→活動期間と自国のチャート1位を獲得した年

では、BTSはどういったパターンなのだろう?
BTSは、2013年にデビュー、2016-2022年まで自国チャート1位をとり、平均年齢31歳で出した新アルバム「アリラン」でもトップチャートを獲得すると思われる(初速を見る限りかなり固いはず)。
→活動期間と自国のチャート1位を獲得した年

BTSの人気の形は瞬間的消費型のように濃密な音楽活動をしていながら、伴走型のように息が長い。
❶欧米の多くのスターが「早くソロで活躍したい」と考えるのに対し、BTSは文化的に「グループを長く続けること」をポジティブに捉えていること
❷ SNSやドキュメンタリー、バラエティ番組のグローバル展開により人間性やストーリーもBTSの魅力の一つになっていること
によりグローバル市場での伴走型が可能になっていると考えられる。
一方で、瞬間型な高密度の音楽活動を長年しているわけで、本人たちはかなり大変だと思う。才能だけでなく、ものすごい気力と体力が必要になる。BTSのことを侮ってるわけでは全然なく、一人間として、何十年も続けるのはかなり難しいことだと思う。
まとめ
グローバルな音楽性の進化に伴う「古参ファンの通過儀礼」的な批判はあるものの、数値・評価ともに依然として世界のトップアーティストであるBTS。歴代ボーイズグループの例を見ると既に新形態に突入していることがわかる。
これからどうなるかわからないけど、個人的に今風のアーティストらしく、普通に本人たちが望めば家庭を持ったり好きなことをしつつゆるく長く活動してくれるとうれしいなぁ。
INFORMATION
BTSの曲を聴く方法
- Spotifyなどサブスクリプションサービスで曲を検索
- YouTubeで公式MVやライブ映像を視聴
- CDをレンタル店(TSUTAYAなど)で借りる
- ラジオで放送を待つ
- TikTokで人気曲のショートクリップをチェック






