「bills」の創業者ビル・グレンジャーが考案したスクランブルエッグは、「世界一おいしい卵料理」と称され、世界中の食通やメディアから注目を集めてきた。日本でも朝食ブームの火付け役となり、休日には行列ができる人気店として知られている。
でも「世界一おいしい卵料理」は本当においしいのか?実際に食べて確かめてきた。

到着
店に着くと、昼過ぎだったこともあり、並ばずに入ることができた。
パンケーキを注文する人が多いなか、今回のお目当てはもちろん看板メニューのスクランブルエッグ。注文してから20分くらいで届いた。
「世界一」という肩書きを背負った料理にしては、見た目は驚くほどシンプルだった。黄色い卵に厚切りトースト。豪華な盛り付けも特別な演出もない。
だからこそ、一口目への期待だけが自然と膨らんでいく。

世界一の卵は、豆腐っぽかった。
運ばれてきたスクランブルエッグは、スプーンを入れるとふわっと崩れ、驚くほどなめらかだった。
一番近い食感を探すなら、肉厚な絹豆腐。卵なのに、豆腐を食べているような不思議な感覚だった。
味付けは、かなり控えめ。バターや塩の主張は弱く、卵そのものの甘みが伝わる。
ただ、正直に言えば物足りなさもあった。
普段食べ慣れている、バターが香るスクランブルエッグや、しっかり塩気の効いたホテルの朝食を想像すると、かなり淡白だった。
一口目の驚きは大きいものの、食べ進めるにつれて「もう少し味が欲しい」と思ってしまった。
世界一の卵は、なぜ豆腐みたいなのか
billsのスクランブルエッグは、いわゆる家庭のスクランブルエッグとは作り方からして違うらしい。
特徴は、生クリームの量がかなり多いこと。レシピでは卵2個に対してクリーム80mlほどを入れる。卵を濃くするというより、卵をゆるめて、柔らかい塊にしていく作り方だ。

さらに、フライパンの中で細かく混ぜ続けない。外側から固まり始めた卵を、中心へそっと折りたたむ。かき混ぜるというより、畳む。だから細かいそぼろ状にならず、大きくて柔らかいかたまりが残る。これが、口に入れたときの「肉厚な豆腐っぽさ」につながっている。
食べた印象としては、ふわふわというより、ぷるぷる。卵の味が前に出るというより、クリームでのばされたやさしい塊を食べている感じだった。

生クリームが多いぶん、味の輪郭はかなりぼやける。塩気も控えめで、バターの香りで押してくるタイプでもない。濃い味を期待すると、「あれ、無味だな?」となる。

結論
こんなにのっぺりぽってりな味が「世界一」と称されていることにびっくりした。
個人的にはいつも食べてるぐちゃぐちゃに溶いて、ケチャップをかけたワイルドなスクランブルエッグの方が好きかな。
INFORMATION
・公式サイト:https://www.billsjapan.com/jp/our-menus
・店舗名(日本国内):bills 七里ヶ浜、bills 横浜赤レンガ倉庫、bills お台場他
