テイラー・スウィフトって、すごい人気ですね。正直こんなに息が長く売れ続けてカリスマ的存在になっちゃうとは思わなかった。
というわけで、なんで人気なのかちょっと考えてみます。
経歴概要
テイラー・スウィフトの経歴をまとめるとこんな感じ。
1989年12月13日、ペンシルベニア州で生まれる。
10歳:地元のイベントやカラオケ大会に参加し、才能を発揮。
11歳:NBAの試合前に国歌斉唱を務める。
12歳:ギターを始める。
13歳:自作の楽曲を書き始める。
14歳:ソニー/ATVと作詞契約を結ぶ。
16歳:デビューアルバム『Taylor Swift』をリリース。
その後、カントリーからポップ、インディーロックまでジャンルを超えて活躍。
2020年代:過去の作品の「リ・レコーディング」プロジェクトを開始。
2024年4月:最新アルバム『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』をリリース。
現在までにグラミー賞を12回受賞し、世界的な人気を誇るアーティストとして活躍中。
なぜ人気なのか。曲がすごく正直?
人気の理由を簡単に言えば、良い曲を作って歌えて、容姿端麗・ファンを大事にし、チャリティーも行う、という部分が受けているのだと思うけど、試しに最近の曲「Anti-Hero」を聴いてみて、すごーーーーーーく正直かつダークな感じに書かれていて、びっくりした。うっかり
👩共感するわぁ
と言うと、
👨ちょっと闇を抱えているのかな(もしくはそれを察してほしいのか)
と思われそうな感じの歌詞だった。
↓「Anti-hero」のこのサビ部分だけ聞いてほしいけど、なかなか苦しそう
↓PVもなかなか。
「Anti-hero」は、ざっくり
・まわりに比べて自分が醜く感じる
・私は意外と腹黒い
・すごい病んでいる
という、だいぶ沈んだ内容になっている。
客観的にAIに曲の傾向をまとめてもらった感じ、やはり近年こういう沈みがちな雰囲気の曲は増えてそう。(※凡例 ●→暗い、 🤩→明るい)
2006: Tim McGraw (テーマ: 思い出の恋, やや暗い雰囲気)●
2007: Teardrops On My Guitar (テーマ: 片思い, 暗い雰囲気)●
2008: Love Story (テーマ: ロマンス, 明るい雰囲気)🤩
2009: You Belong With Me (テーマ: 友情から恋へ, 明るい雰囲気)🤩
2010: Mine (テーマ: 新しい恋, 明るい雰囲気)🤩
2011: Mean (テーマ: いじめへの反抗, やや明るい雰囲気)🤩
2012: We Are Never Ever Getting Back Together (BPM 176, テーマ: 別れ, 明るい雰囲気)🤩
2013: I Knew You Were Trouble (テーマ: 後悔の恋, やや暗い雰囲気)●
2014: Shake It Off (BPM 160, テーマ: 自己肯定, 明るい雰囲気)🤩
2015: Blank Space (テーマ: 恋愛の皮肉, やや明るい雰囲気)🤩
2016: Wildest Dreams (テーマ: 儚い恋, やや暗い雰囲気)●
2017: Look What You Made Me Do (テーマ: 復讐, 暗い雰囲気)●
2018: Delicate (テーマ: 新しい恋の不安, やや暗い雰囲気)●
2019: ME! (テーマ: 自己肯定, 明るい雰囲気)🤩
2020: cardigan (テーマ: 失われた恋, 暗い雰囲気)●
2021: All Too Well (10 Minute Version) (テーマ: 過去の恋の回顧, 暗い雰囲気)●
2022: Anti-Hero (テーマ: 自己批判, やや暗い雰囲気)●
2023: Cruel Summer (テーマ: 激しい恋, やや明るい雰囲気)🤩
2024: Is It Over Now? (テーマ: 関係の終わり, 暗い雰囲気)●
しかしデビュー時の2006年の曲と2024年の曲はそこまで雰囲気が違わないから、もともと結構内省的でまじめな感じなのかも。
↓2006年の曲
↓2024年の曲
出自を振り返ると
テイラー・スウィフトは、ペンシルベニア州のクリスマスツリー農場で幼少期を過ごし、11エーカー(約4.5ヘクタール。ほぼ東京ドーム1個分)の広大な土地で育ったらしい。
女友達としょっちゅうお出かけしている今のイメージからは信じがたいけど、中学、高校時代にはいじめを受けていて、女友達がいなかったとのこと。田舎だから閉鎖的だったのかもしれないけど、わりとつらそう。
そのいじめが一緒にいるとやや鼻につくからか、周りが陰湿だからなのかはわからないけど、おそらく成功に向かう途中、テイラーの中には
①私がうざかったのかも
②あいつら(いじめた人たち)ざまぁ。見る目ねえな
の二つの声が渦巻いているんじゃないかと思った。
そこから、①も認知しつつ、②の「ざまぁ」の程度を物理的に高くし、過去の自分と今の自分を隔絶すべく、商業的な成功、求道的にだれもがうらやむ恋人を何人か作ることを続けた、ある意味アメリカン・ドリーム職人がテイラー・スウィフトなのかもしれない。
これを言うと、
😡テイラーのことを悪く言うなぁ
というファンの声が上がるかもしれないけど、全然悪く言ってない。自分自身(過去・現在含め)を克服するのに音楽というツールを使っていて、影響を与えている、思考停止していない、そして歩みを止めていない点も含め、かなりすごいと思う。( 正直そこまで深くテイラーについて知らないからインタビューと曲からの予想だけど)。
テイラーは今後どうなっていくか?
アメリカンドリーム職人ゆえ、今後どうなるかは悩ましい部分かと思う。ちゃんと音楽活動し続けるんだろうし、ビートルズが前半と後半でだいぶテイストが違っても違う魅力があったのと同じようにテイラーも内面の変化を素直にリンクさせつつファンがついてきているから、
👩売れていた時こういう曲だっけ・・?
みたいな安易な感じや下手なマーケティングに振り回されることはなさそう。多分。
結論
テイラー・スウィフトの人気の要因の一つとして、アメリカン・ドリーム性があるのではと思った。同じ系統としてビヨンセがいるが、テイラーの方が不安定感が強く、地方から頑張って出てきているところや、根底にコンプレックスを感じさせるところがよりアメリカン・ドリーム性を高めている。
アメリカン・ドリームは、多分成功してヤッホーまでの言葉だと思うけど、セットになるのがポスト・アメリカン・ドリーム(アメリカン・ドリームの後)であり、これからテイラーが本格的に対峙するものである。渇いた ポスト・アメリカン・ドリームがどう創造されていくか、気になる人も多いんじゃないかと思う。
↓インタビューを観ると、クラスにいそうな女子という感じがする。リラックスしきってない感じが親近感を覚える。
INFORMATION
テイラー・スウィフトの曲を聴く方法
- Spotifyなどサブスクリプションサービスで曲を検索
- YouTubeで公式MVやライブ映像を視聴
- CDをレンタル店(TSUTAYAなど)で借りる
- ラジオで放送を待つ
- TikTokで人気曲のショートクリップをチェック