残酷な小説を書くのが趣味の変わった女子がいて、「バンプめちゃいいよ」と勧めてきたのでちゃんと聴いてみたらなかなかよかったです。
本記事では、BUMP OF CHICKENの楽曲『K』『embrace』『ダイヤモンド』がつながってる気がしたので、検証します。
BUMP OF CHICKENとは
BUMP OF CHICKEN は、日本のバンド。1994年、千葉県佐倉市の幼なじみ4人(藤原基央:Vo/G、増川弘明:G、直井由文:B、升秀夫:Dr)が文化祭で結成。
インディーズ時代に『FLAME VEIN』で注目を集め、2000年メジャーデビュー。2001年の「天体観測」が大ブレイク、YouTube再生1億回超え。代表曲に「カルマ」「プラネタリウム」「Hello,world!」「なないろ」など。
楽曲『K』の内容
いじめられてるくろねこが貧しい画家に拾われ可愛がられる。くろねこは最初は拒否したものの、次第に受け入れ、仲良しに。
↓拒否パート
腕の中もがいて
必死でひっかいて
孤独という名の逃げ道を
走った走った
生まれて初めての
優しさが温もりが
まだ信じられなくて
しかし画家は極度の貧しさゆえ(くろねこばかり描いたのも原因)弱ってしまい、死ぬ間際にくろねこに恋人への手紙をたくす。
くろねこは街中ですごい虐待を受けながら恋人の元に行き、息絶える。恋人はくろねこの「HOLY NIGHT」(聖夜)という名前に「K」を加えて、「HOLY KNIGHT」にして、埋葬する。
↓エンディング
手紙を読んだ恋人はもう動かない猫の名に
アルファベットひとつ加えて埋めてやった
聖なる騎士を埋めてやった
『embrace』の内容
部屋に逃げ込んできた何かに対してすごく優しく呼びかける曲。
↓逃げ込み部分
逃げ道の途中逃げ込んだ この部屋の中で
君は僕に見つかった 首輪のない姿で
↓呼びかけ部分
腕の中へおいで 抱えた孤独の
その輪郭を撫でてやるよ
明かりのない部屋で 言葉もくたびれて
確かなものはぬくもりだけ
『ダイヤモンド』の内容
転んだり迷ったりしながらも前に進む主人公が描かれる。傷や血といった生々しいイメージは「生きている証」として捉えられている。
↓語りかけ形式
何回転んだっていいさ
擦り剥いた傷をちゃんと見るんだ
真紅の血が輝いて「君は生きてる」と教えてる
後半では、自分の中にある「弱い自分」との再会と新たな旅立ちが描かれる。
↓再会部分
やっと会えた 君は誰だい?
あぁ そういえば 君は僕だ
大嫌いな弱い僕を ずっと前にここで置きざりにしたんだ
『K』『embrace』『ダイヤモンド』がつながってる説
※この説は自分がはっとひらめき、自分で検証しているものです。
まずメインの登場人物を整理する。
『K』→くろねこ(虐待されてる)と画家
『embrace』→首輪をつけてないなにか(逃げてきた)と歌い手
『ダイヤモンド』→昔の弱い自分と今の自分
これを見ると前者がだいたいひどいめにあってる、後者が前者を「庇護する」、もしくは「元気付ける」という感じの構造になっている。
仮説
ここからは妄想だけど、
くろねこが虐待されている(K)→首輪のない状態で部屋に逃げ込む(embrace)→くろねこに昔の自分を重ねる(ダイヤモンド)→「腕の中においで」と誘う(embrace)→くろねこは拒否するも仲良しに(K)→昔の自分と今の自分が中和する=画家とくろねこが死ぬ(K、ダイヤモンド)→旅立ち(ダイヤモンド)
みたいに3曲がつながってる気がする。
仮説の流れをインナーチャイルド視点で解釈
心理学のインナーチャイルドのフレームで解釈すると、こんな感じになる
1. 『K』:傷ついたインナーチャイルドの登場
- くろねこは、虐待や孤独で傷ついた「インナーチャイルド」の象徴。社会や環境から拒絶され、信じられるものがなくて「孤独という名の逃げ道」を走ってる。
- 画家は、インナーチャイルドを受け入れようとする「大人の自分」。でも、画家自身も貧しさや弱さを持っていて、完璧な庇護者じゃない。この不完全さがリアルで、インナーチャイルドを癒すプロセスって完璧じゃないことを示してる。
- くろねこが最初は拒否する(「腕の中もがいて 必死でひっかいて」)のは、インナーチャイルドがトラウマから「優しさ」を信じられない状態を表してる。でも、徐々に受け入れることで、癒しの第一歩が始まる。
- 画家の死とくろねこの旅立ちは、インナーチャイルドが「過去の傷」を背負いながらも、新たな一歩を踏み出す瞬間。くろねこが死ぬのは悲しいけど、「聖なる騎士(HOLY KNIGHT)」として埋葬されることで、傷ついた自分に尊厳が与えられる。これはインナーチャイルドの「統合」の象徴かも。
2. 『embrace』:インナーチャイルドへの優しい呼びかけ
- 首輪のない何か(くろねこ?)は、過去の傷やトラウマを抱えたまま逃げてきたインナーチャイルド。首輪がないのは、誰にも属さず、自由だけど孤独な状態。
- 歌い手の「腕の中へおいで」という呼びかけは、大人の自分がインナーチャイルドに「もう大丈夫だよ」と寄り添うイメージ。歌詞の「明かりのない部屋で 言葉もくたびれて 確かなものはぬくもりだけ」は、論理や言葉じゃなくて、ただそばにいることの癒しを表現してる。これはインナーチャイルドセラピーそのものだと思う。
- この曲は、「くろねこが部屋に逃げ込む」段階で、インナーチャイルドが初めて「安全な場所」を見つける瞬間とも読める。
3. 『ダイヤモンド』:インナーチャイルドとの再会と旅立ち
- 「昔の弱い自分」と「今の自分」の再会は、インナーチャイルドと向き合うプロセスそのもの。「大嫌いな弱い僕を ずっと前にここで置きざりにしたんだ」という歌詞は、過去の自分を否定したり、切り離そうとした心の動きを表してる。
- 傷や血が「生きている証」とされるのは、インナーチャイルドの傷を否定せず、受け入れることで「生きる力」に変えていくプロセス。
- 後半の「新たな旅立ち」は、インナーチャイルドと和解した大人の自分が、過去を背負いつつ未来へ進む決意。くろねこの「聖なる騎士」としての旅立ちとリンクするし、癒されたインナーチャイルドが「自分を生きる力」に変わる瞬間とも言える。
まとめ
こういう説が浮かび上がるのは、BUMP OF CHICKENの歌に本当に心を痛めてるみたいな感じの震えが随所に感じられるからだと思う。ちゃんと自分の身を投げ出して歌っているというか。
INFORMATION
BUMP OF CHICKENの曲を聴く方法
- Spotifyなどサブスクリプションサービスで曲を検索
- YouTubeで公式MVやライブ映像を視聴
- CDをレンタル店(TSUTAYAなど)で借りる
- ラジオで放送を待つ

