自分特有の現象かわからないけど、炎上してめちゃくちゃ叩かれている人に対して共感と同族嫌悪を覚えがちだ。叩かれる要因になった行動や心情に身に覚えがあるからだと思う。
根本原因
叩かれている人は、あまりゼロベースでちゃんと考えられてないから叩かれる行動をしちゃうんだと思うけど、
1それらしい選択肢を選ぶ
2空気を読む
ってのが意思決定の根幹として叩き込まれている気がして、結果的に正しくないことをしちゃってる気がする。
生来素直だったり物分かりがいい場合、叩き込まれる程度は弱いかもしれないけど、自分自身は昔からゴーイングマイウェイだったから、文字通り多くの人からぐいぐい叩き込まれたんじゃないかなと思う。実際上記2つをすごくうまく出来ていればなんとかなっちゃうし。
個人的には、叩き込まれている自覚があるからずっとすごく恥ずかしい。能動性がなくて微妙に流されやすい自分に気づくともだえてしまう。恥ずかしいチップが埋め込まれているような気分になる。
思考停止の感覚
元々
1それらしい選択肢を選ぶ
2空気を読む
をしないと、集団から阻害されたり、軽蔑されうるという恐怖心により思考停止しつつも、たまにうまくやっている気持ちになっていた。でも「思考停止状態の自分のだめさに直面する」と言う、恐怖心とは少し違う打ちのめされ方をした結果、自分のベースを否定しつつ、一から自分を再構築している途中の状態が今である。
なので、自分の底には、浅はかで思考停止している部分なり記憶があるし、そのため、同じく浅はかで思考停止しつつうまくやっている気持ちになっている為に叩かれている人には共感と共に苦しい同族嫌悪を覚える。
思考停止する人の割合
そもそも
1それらしい選択肢を選ぶ
2空気を読む
思考停止しがちな流される人間(と便宜的に定義する)はどのくらいいるのかと言うと、割合としては過半数を超えていると思う。
人類の分類として
a 思考停止している人
b 生来ちゃんと考えられる人
c 元々思考停止してる人だけど、bになろうとしてる人
がいるとして、肌感だけどa50%、b25%、c25%みたいなイメージかと思う。
a思考停止してる人は、それらしく振る舞うことと空気を読むことがものすごく長けている可能性も高く、実際エリートや成功者に多く存在している。
bの人のイメージとしては、致命的なコンプレックスを抱えていない人のイメージがある。こういう人はすごいし、恥ずかしい記憶も少なそうでうらやましい。
c自分が属する分類だけど、不器用で中途半端である故、苦しみも多い。でも先述したように流される人の気持ちがわかるという苦い特性はある。
思考停止人間の叩かれ方にも特徴有り
思考停止してる人が叩かれる際にも
a 「バカだね」「幼稚だ」のようにぶったぎる
b「 承認欲求からこういう行動しちゃうんだ・もともと気が弱く流されやすいんだ」のように、叩いている人の内面に言及
のパターンがあるが、bの叩き方をする人は(自分のことをさらっと棚に置く)思考停止人間か、同族嫌悪している人のような気がする。
傍から見ているとそこそこ奇妙な現象に感じる。
思考停止はやはりあまりいいことではないと思う
一応はっきり否定しておくと、いじめとか戦争も起こるし、思考停止してる人の行動パターン(と定義した)それらしい選択肢を選ぶ・空気を読む、といった事象が過剰なのはよくないと思う。空気を読むことを褒める風潮もやめてほしい。
👩あの子は空気を読めるよ
みたいに褒める人がいるけど、
👩あの子は礼儀をわきまえてるし、かしこいよ
でいいんじゃないか。空気を読むこと自体、そんなに能動的なアクションに思えない。学校でも空気を読めることに対し加点をしないでほしい。
一方で相手が思考停止人間でも同族嫌悪故なのか空気を読んでなのか過剰に叩く風潮も見ていて気分は良くない。特に空気を読んでだったら、空気なんて流動的かつ操作可能なんだから怖いなと思う。
思考停止しがちの人間としては、
🙃いつもちゃんと考えよう
と心がけるしかないけど、生きる場所・付き合う人をある程度選べる大人に比べて子供って大変だなとつくづく思う。オンリー思考停止人間の環境で、合理的に考えていくって大変だから…。
村上春樹「沈黙」から考える
村上春樹の「沈黙」も扇動をするのがうまい人に飲まれて主人公が学校中から冷たくされるようになる話だ。扇動者(青木というリーダー的存在の生徒)と精神的に疲弊した主人公は満員電車で対面する。得意げな青木に対し、主人公はこう思う。
でもその時、満員電車の中で僕が感じたのは怒りとか憎しみよりは、むしろ悲しみとか憐れみに近い感情でした。〈本当にこの程度のことで人は得意になったり、勝ち誇ったりできるものなのか? これくらいのことでこの男は本気で満足し、喜んでいるのだろうか?〉そう思うと、なんだか深い悲しみみたいなものを感じたんです。この男にはおそらく本物の喜びや本物の誇りというようなものは永遠に理解できないだろうと思いました。
このことをきっかけに主人公は立ち直り、卒業まで学校に行き続ける。大人になった主人公は結婚し子供を持ち、仕事をしている。
ただ主人公はまだ悪夢にうなされている。
でも僕が本当に怖いと思うのは、青木のような人間の言いぶんを無批判に受け入れて、そのまま信じてしまう連中です。自分では何も生み出さず、何も理解していないくせに、口当りの良い、受け入れやすい他人の意見に踊らされて集団で行動する連中です。彼らは自分が何か間違ったことをしているんじゃないかなんて、これっぽっちも、ちらっとでも考えたりはしないんです。
この話の登場人物として、主人公・扇動者の青木・扇動された学校の人をそれぞれ分類すると
主人公:b 生来ちゃんと考えられる人か、c 元々思考停止人間だけどbになろうとしてる人
扇動者の青木:a 思考停止してる人
扇動された学校の人:a 思考停止してる人か、c 元々思考停止してる人だけどbになろうとしてる人
に分類されると思う。分類cである自分は、確かにこの話を読んで、主人公にも共感しつつ、自分もうまく青木に扇動されないか考えて暗い気持ちになった。今だったら大丈夫な気もするけど、過去の自分であればあるほど自信がない。この手の「自己嫌悪」の蓄積で消極的ながら、被扇動者から遠ざかっていくけど、ずっとこの手の自己嫌悪と自信のなさは消えない。でもそれが分類cの生き様なのかな、と思う。
↓「沈黙」はこちらの本に収められています。名作!
INFORMATION
炎上した時の心のケア方法
- 深呼吸して感情を落ち着かせる
- SNSやネットから一時距離を置く
- 信頼できる友人に話を聞いてもらう
- 好きな音楽や映画で気分転換を図る
- 紙に気持ちを書いて整理する
- 運動(散歩、ランニング)でストレス発散
- 炎上の原因を冷静に振り返る
- 必要なら謝罪や説明を簡潔に準備
- 自分を責めすぎず、時間に任せる
- 前向きな目標を立てて気持ちを切り替える